世界から高く評価されるコスモの技術

コスモでは産油国との関係を深める目的で、海外製油所への技術協力を積極的に行ってきた。技術を通じた信頼関係は、安定的な原油調達に繋がってきた。

松宮:ほとんど石油が採れない日本において、輸入した原油を何十年も精製してきたコスモの技術は、世界から高く評価されてきました。産油国に対して技術指導をするという形で、産油国との新しい関係を構築してきました。

国内での燃料需要が減退していく中、海外での新たな収益源をつくるという目標に対して、海外との接点を多く持つ海外技術協力センターが、先頭に立ってその役割を担っている。

松宮:これまで「協力」という形で行ってきた活動でしたが、活動を通じてコスモの技術は、海外の製油所にとって十分に価値あるものという手応えがありました。2016年4月から、「協力」という形に加えて、ビジネスベースで技術を「提供」するというコンセプトが加わりました。産油国での技術提供とともに、石油の国際会議などを通じて、新たな協力先の開拓を進め、現在は東南アジアの製油所への技術提供が進んでいます。

コロナ禍の中でも海外と繋がる

海外の製油所の運転データを解析し、コスモが培ってきた経験・技術に照らして、どこに課題があるのかを抽出していく。明確になった課題に対して、改善プランを検討し、海外の製油所と一緒に、改善プランを実行していく。

松宮:海外の製油所は、コスモが製油所の問題を解析するアプローチに対して、とても興味を持っています。日本と物理的な距離がありますが、メールのレスポンスが非常に早かったり、「求められている」という温度感は、ひしひしと感じます。コロナ禍において、現在は海外に直接行く機会は減ってしまっていますが、逆にオンラインでの会議が増えたので、コミュニケーションの頻度は上がっています。コロナが収まれば、早く現地に行きたいと思いますが、データを解析し、ノウハウを提供するという意味においては、この状況でもプロジェクトは問題なく進んでいます。

海外への技術提供というプロジェクトは、逆に「コスモの技術力・蓄積されたノウハウ」を再発見する機会にもなっている。

松宮:私自身のキャリアとして、研究所・本社・製油所を経験しているので、「コスモにどんな技術があるのか」という全体像を見渡すことができました。「この技術が活かせるのではないか」という発想に辿り着きやすく、また「海外協力」に対しての社内の理解も高いので、非常に協力的でスムースです。現在、海外製油所が大きな価値を感じてくれているのは「解析技術」です。大量のデータを一つ一つ見ていくと膨大な時間がかかるのですが、コスモのアプローチなら短時間で課題に到達することができます。また、新たな価値の可能性として注目しているのが「触媒の評価技術」です。精製において触媒は非常に重要なのですが、非常に高額であることや触媒を交換できるタイミングが限られているため、高性能で長寿命な触媒を選定する必要があります。コスモでの経験をもとにした「触媒の評価技術」については、海外から非常にポジティブなフィードバックを得られています。

海外協力業務には
社員が手を挙げて参加できる

松宮は、担当プロジェクトの技術提供だけでなく、海外協力業務のコーディネーター的役割も務める。

松宮:コスモでは、海外協力業務に携わりたい社員を、社内で公募します。現在の部署にいながら、海外での仕事をする機会が提供されています。コスモには「海外で仕事をしたい」という思いを持った社員も多いのですが、その気持ちに応える形で会社がサポートしています。

意欲のある人に任せるというコスモの風土は、海外協力への挑戦も後押しする。英語力向上のためのオンラインでの英会話レッスンなど、自ら学んだ上で海外協力業務に参加している。

松宮:若手社員を中心に、みんな意欲のある人たちばかりなので、海外協力業務を通じて学ぶことも多いようです。海外製油所の同年代の技術者と、全力でぶつかって仕事をして、同志としての絆をつくってきます。下準備も含めて時間はかかりますし、当然不安もあると思いますが、その分プロジェクトの経験は自信になっていると思います。

世界に広がるコスモの可能性

海外への技術提供プロジェクトは、コスモの新たなビジネスへの挑戦であり、また国内の技術力向上に向けた挑戦でもある。

松宮:社内・社外も含めて、誰もやったことのない仕事を経験できているので、非常にやりがいを感じます。「どうすればいいんだろう」「どうやって解決しよう」ということをいつも考えて試行錯誤している状況ですが、だからこそ楽しい。「これをやりたい」「あれをやってみたい」と提案をすると、方向性が間違っていなければ、基本的に全て任せてくれる環境なので、とても挑戦しやすいですね。「世界に対してコスモが力になれる可能性」と「コスモの技術をもっと伸ばしていける可能性」を日々感じる仕事です。未知であること、未踏であることを恐れず、楽しんで全力で仕事をしていきたいと思います。

 

※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所などは公開当時のものです。