配偶者転勤休暇制度を活用して
シンガポールで子育て中

木村:私は2009年に新卒で入社し約5年間中央研究所で新エネルギーや新素材、後半は石油の研究をしていました。その後本社の研究部に異動となり、研究の企画管理を担当しました。エネルギー政策の動向や国内や海外のトレンド、コスモにあるリソースを踏まえた上でどのような研究に力を入れていくのかを検討する、という仕事です。プライベートでは2012年に結婚をし、2018年に子どもが産まれました。2021年、子どもが3歳になる前のタイミングで、商社で働いている妻の海外駐在が決まりました。

木村:妻が商社勤務、私がコスモで働いていたので、もともと海外転勤の可能性については想定をしていました。妻の会社にもコスモにも配偶者転勤休職制度があるので、どちらかに海外転勤の辞令が来た場合、どちらかが制度を使おうという話はしていました。2020年の年末ごろに妻に対して海外転勤についての打診があり、家庭内での会議を重ねて、家族全員でシンガポールに行くことを決めました。

木村:配偶者転勤休職制度は、配偶者が転勤になった際、最大3年間休職ができる制度です。3年間自分が仕事を休むことに対する葛藤はありましたが、「妻が子どもを連れて2人でシンガポール」という選択肢も、「私と子どもが2人日本に残る」という選択肢も、どちらの仕事にも無理が出てしまうだろうし、何よりも幼い子どもへの影響を考え、家族全員でシンガポールに行くことを選びました。

木村:上司にその旨を伝えた時には「家族が一緒にいることが一番だよ」、と言葉をかけて下さりとても安心しました。ちょうどコロナ禍の時期と重なり、シンガポールへの入国時期が二転三転して、その点で会社や人事に迷惑をかけたことは心苦しかったですが、休職制度活用について後ろめたい気持ちを感じずに気持ちよく送り出してくれたことに感謝しています。

「二度とない時間」のために
育休を取得

上江洲:私は2018年コスモにキャリア入社しました。前職でもエネルギー業界で働いており、業界内での「人のコスモ」という評判や、原油外航の仕事にも関われるということでコスモに転職しました。2018年からずっと原油外航部で仕事をしているのですが、2021年の10月からシンガポールに転勤になり、妻と娘2人の家族4人でシンガポールで暮らしています。

上江洲:前職の時に1人目が産まれ、コスモに転職してから2人目が産まれました。1人目の時は育休を取得しなかったのですが、2人目の時はコスモで1ヶ月の育休を取得しました。妻をサポートしたいという気持ちがありましたし、同時に「子どもとの時間を大切にしたい」という思いが強くありました。1人目の子どももまだ小さいですが、本当にあっという間に成長していくことを実感します。2人目が産まれた時、「1日ごとに変化していく子どもの成長を見守りたい」「二度とない時間を一緒に過ごしたい」という気持ちがありました。1ヶ月の育休は、取得して本当によかったと思っています。

木村:私も育休を取得しました。出産前後の産休とは別に、産まれて半年後ぐらいのタイミングで1ヶ月弱の育休を取得しました。上江洲さんがおっしゃる通り、育児が大変な時に休めるということも重要ですし、何よりも「かけがえのない時間を一緒に過ごす」ということの意味が大きかったと思います。

仕事と育児、両方を大切にできる

上江洲:シンガポールでの仕事のスタイルとしては、仕事とプライベートの両方をフィフティーフィフティーになるよう大切にする、という感じです。子どもがいなかった時は、何よりも最優先で仕事をしていましたけれど、子どもが産まれてからは変わりましたね。仕事の進め方も昔よりは効率的になったと思います。土日はとにかく全力で家族と過ごしたいので、翌週に仕事を持ち越さない。積み残しがあるとどうしても休みの日にも仕事のことを考えたりしてしまうので、週内でピリオドを打つというのは意識しています。働き方としてもフレックスタイム制度があるで、3時間残業をすればその分3時間どこかで早く帰る。そのような調整をしながら、きちんと時間をつくるようにしています。

木村:私はシンガポールに来てから、いわゆる「主夫」として生活をしています。朝8時30分に子どもを幼稚園のバスに乗せて見送り、15時過ぎに帰ってくるまで家事や勉強をして、子どもが帰ってきたら家事をしながら子どもの世話をしたり一緒に遊んでいます。想像以上に時間がないと感じますし、それは日本で「主婦」や「主夫」をしている人も同じだと思います。子どもと過ごす時間が増えたことを楽しめていますし、長い人生の中でこういう過ごし方をする時間を得られてよかったと思っています。2024年の4月が子供が小学校に行くタイミングになるので、2024年3月まで、ちょうど休職制度の3年で仕事に戻ろうと思っています。

上江洲:コスモで働いていて思うのは、テレワークであるとか、フレックスであるとか、制度や環境がすごく整ってきていると思います。木村さんの配偶者転勤休職制度もそうですね。こういった男性の育休制度というのも、あとは使う方の意識の問題かなと思います。木村さんもきっとそうでしょうし、私も会社から育休や子育てに対してすごく理解をしてもらって、応援してもらっています。摩擦は限りなくゼロに近いですし、制度を活用する人が葛藤を感じる必要もない。家族で子育てをするために、物理的にパワーが必要という事実と、そして何よりも人生にとってかけがえのない時間を大切にする、ということだと思います。小さな子どもと過ごせるのは、一生に一度のことなので。世の中の風潮的にも、もっともっと変化していくと思いますし、コスモはしっかり応援してくれる風土も制度もある会社なので、安心して働けると思います。

※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所などは公開当時のものです。