今回集まったのは、コーポレートDX戦略部データサイエンスグループの真砂(2022年キャリア入社、グループ長)、菊地(2007年新卒入社、現在はデータエンジニアリンググループ長)、田村(2022年新卒入社)。コスモでは、デジタル化を通じた顧客体験価値の向上を目的としたデジタル化による根本的なビジネスモデル変革を迅速に進めていくことを目指し、2021年11月にコーポレートDX戦略部が新設された。

「本気のDX」をキャッチフレーズとして掲げるコスモで推進されているDX戦略とは。また、新卒1年目が配属された職場において、若手はどんな仕事に向き合い、成長しようとしているのか。グループ長が若手社員をマネジメントする上で、大切にしていることとは。

2021年から始まったコスモの
「本気のDX」

菊地:2021年11月にルゾンカさんが、コスモのCDO(Chief Digital Officer)に就任し、社長直属のスモールな組織体としてコーポレートDX戦略部が立ち上がりました。DXのビジョンや戦略というものを整理していきながら、2022年4月にデータサイエンスグループが立ち上がり、真砂さんがグループ長に就任されました。

真砂:私の前職は金融機関で、セールス&マーケティング領域を中心にデータ利活用推進に関わる仕事をしていました。それ以外の領域においてもデータ利活用の仕事に携わりたいと思う中で、コスモの場合は石油開発、石油精製、販売までの石油サプライチェーンを一貫して手掛けるとともに、石油化学や再生可能エネルギー事業にも取り組んでおり、非常に幅広い領域で挑戦ができるということが魅力の一つでした。また、全社を挙げて「人材育成」に非常に力を入れており、私自身も約20年間データ利活用の仕事をしていることから、その素晴らしさを伝えながらプロフェッショナルを育てていきたいという思いをもってコスモに入社をしました。

菊地:データ活用に向けては、まずはデータ収集のための仕組みを構築するところから始まり、データ分析基盤の整理やデータガバナンスの仕組みの構築も進めていきました。コーポレートDX戦略部が立ち上がる以前から、コスモの第6次中期経営計画の中で業務改革が掲げられていたので、業務改革を推進していきたいテーマについてはすでに数多く挙がっている状況でした。その中からDXにつながるものがリストアップされ、具体的なプロジェクトとして進行していきました。

コスモのビジネスは
DXによって大きく進化できる

真砂:入社してみて感じるのは、やはりコスモの事業はDXによって変革できるポテンシャルが非常に高いということです。あくまで例ではありますが、例えば石油を運ぶタンカーの航路について、気候状況などをもとにどのルートを通った方が効率がよいかが予測できれば大きなコスト削減に繋がります。また、製油所やサービスステーションの設備の不具合や故障についても、事前に検知ができるようになれば前もって効果的な対策を講じることができます。エネルギー産業のサプライチェーンは非常に大きな規模ですので、データを活用した予測や最適化のプロセスを業務に組み込むことで、大きなビジネスインパクトを生み出すことが可能です。

菊地:部門の発足前から私が携わってきた「製油所視える化」というプロジェクトでは、製油所の稼働状況や収益改善目標の進捗度合いが確認できるようになりました。製油所というのは、セキュリティの観点からもインターネットから遠い世界にシステム類を構えなければならないという原則があり、クローズドな空間で限られた人のみがアクセスしてデータを使うという仕事の仕方が一般的でした。それも、クラウドやセキュリティ技術の進展に伴ってDXすることが可能になりました。現状把握や意思決定の迅速化に繋がっていくと思います。

真砂:個別のプロジェクトだけでなく、コスモエネルギーグループ全体のデジタルリテラシーを向上させていくという目的で、社員に向けた研修や啓蒙啓発活動も行っています。毎月2〜3回のDXフォーラムというイベントを開催し、最新のテクノロジーや社内外のDX事例を紹介しています。コスモとしては、コーポレートDX戦略部が一つずつプロジェクトを推進していくというよりも、各現場・各部署の人たちが「自分のところではこんなことができそうだ」と自ら気付き、DXを実践していく。それをコーポレートDX戦略部がサポーする「全社員参加型DX」という形で取り組んできています。

新卒1年目で
コーポレートDX戦略部に配属

菊地:田村さんは、新卒1年目で、そんなコーポレートDX戦略部に配属されたということで。

田村:ご紹介いただきありがとうございます(笑)。私はもともと生き物が好きで、生き物が生きていくための環境に興味が湧き、学生時代も環境系の研究をしていました。その中で環境への影響が大きいエネルギー業界に興味を持ち、コスモの「人を大切にする風土」に惹かれ入社を決めました。入社する前は「研究系の仕事に就くのかな」と思っていたのですが、コーポレートDX戦略部と聞き驚きました。

学生時代はExcelぐらいしか使ったことがなくて、プログラミングの「プ」の字も知らないような状態だったので、「自分に務まるのか」という不安はありました。ただ、会社や先輩・上司からのサポートは非常に手厚く、学習やトレーニング自体が業務に含まれているので、その中で一歩ずつ歩みを進めてこられたと思います。

菊地:前提として、焦る必要は全くないと思っています。私は新卒で入社して最初の配属先は製油所でしたが、製油所全体の業務が見えてくるまでに3年ぐらいは必要だと感じました。それはデータサイエンスの領域でも、基本的に同じだと思っています。

真砂:私もそう思います。焦る必要は全くなくて、しっかりと学ぶことが大切です。コーポレートDX戦略部では、社内外のさまざまな領域の専門家と仕事をする機会が多く、その中でそれぞれの良いところを学んでもらいたいですし、これからもたくさんの機会を提供したいと思っています。

菊地:どんな仕事でもそうだと思うのですが、最初に学んだことが将来的な仕事のベースになると思います。真砂さんがおっしゃるように、いろんな人の良いところを例としてたくさん見て学んでいただくのが大切だと思います。

田村:1年目で経験した印象的な仕事としては、DX活動への社員の参加状況を可視化するダッシュボードを作成したことです。必要なデータを整備し、使いやすいグラフ等のデザインや配置を検討しながら、活用できるところまで何とか自分で進めることができました。明確に成果物として形が見えるので、それは今の仕事のやりがいに繋がっています。

真砂:今年、田村さんはデータ分析の領域にも挑戦していて、しっかり成長していると思います。「3年は必要」というお話はしましたが、きちんと成果を残せたということはプロとして胸を張っていいと思っています。同時に、プロとしての責任と誇りを持ってどんどん先に進んでいってほしいと思います。

田村:ありがとうございます。真砂さんからはたくさんのことを教えて頂いているのですが、データサイエンティストとして必要な3つの要素のお話が印象に残っています。1つ目がビジネス・事業についての知識、2つ目がエンジニアリング力、3つ目が統計などのアナリティクスの知識。菊地さんとお仕事をしている時にも感じるのですが、製油所で働かれた経験がビジネス・事業についての知識として、「DXによってビジネスのどんな課題を解決するか」という解像度の高さに繋がっていると思います。自分もコーポレートDX戦略部で働きながら、「コスモのビジネス」について、より深く理解できるように視野を拡げていきたいと思います。

DXの土台になるのは
「変えていくんだ」というパッション

真砂:DX戦略を推進していくにあたり、具体的なビジネスモデル変革の土台になるのは、個々の社員の士気を高め、自分ゴト化する意識改革です。Cosmo’s 5Cと呼んでいて、Chance(機会)、Challenge(挑戦)、Change(変化)、Communicate(対話)、Commit(こだわり)の5つの言葉の頭文字です。コスモに転職して約1年ですが、この5Cに加えて「変えていくんだ」というパッションをコスモの社内のいたるところから強く感じます。手前味噌ですが、コーポレートDX戦略部というチームにはパッションが満ちていますし、その原動力となっているのはコスモの社員一人ひとりが「もっと変えたい」「日本をもっと元気にしたい」、と思いながら仕事をしているパッションだと思います。

コスモは事業的にDXによって進化できるポテンシャルが非常に大きく、組織的に変化に対するモチベーションが非常に高い会社です。DXという文脈だけでなく、Cosmo’s 5Cの項目に共感できる人に是非コスモに入社してほしいと思いますし、そういう人ならコスモでの仕事をきっと楽しめると思います。

田村:私も、入社前には想像していなかった仕事をしていますが、今は自分の変化を楽しめていると思います。コスモで働く仲間の仕事を助けられるような成果を、一つでも多く残せるように成長していきたいです。

※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所などは公開当時のものです。