今回集まったのは、四日市製油所製造1課の梅木(課長)、森(キャリア入社3年目)、御手洗(新卒1年目)。製造課は、製油所にある装置の運転管理を担う部署だ。日常の運転管理に加え、省エネに向けた合理化の検討、また設備の新設や改善工事などを行う。

製油所という職場で、若手社員はどんな仕事に向き合い、成長しようとしているのか。課長はどんなことを大切にして、メンバーと向き合っているのか。

「最初の上司」から受ける影響の大きさ

梅木:私は2006年に入社して堺製油所の製造1課、四日市製油所の技術課、本社製造技術部を経て、現在の四日市製油所製造1課の課長をしています。振り返ってみると、製油所と本社での仕事を経験してきました。

御手洗:私は2021年に新卒でコスモに入社しました。大学では環境系の学部で人口光合成の実現に向けた基礎研究をしていました。研究と大学での学びを通して、環境問題を解決する難しさを感じました。例えば、太陽光発電自体は環境に優しいものですが、それを作る過程では多くのCO2を排出していたりします。その中で、環境に大きな影響を及ぼしている石油会社の中で環境に向き合う仕事をしたいと思いコスモに入社しました。

:私は大学時代に化学工学を専攻していて、大学時代からエネルギーに関わる仕事がしたいと思っていました。2015年、私が新卒の時には電力会社に入社し原子力に関わる仕事をしていました。原子力を取り巻く環境の変化やこれからの時代に求められるエネルギーについて考える中、コスモと出会い2019年にキャリア採用で入社をしました。

私が製造1課で働き始めたのが2019年、2021年4月から梅木さんが課長に就任され、その後2021年入社の御手洗さんが配属されてきたまだ生まれて間もない新しいチームです。

梅木:そうですね。森さんはキャリア入社ですが、御手洗さんにとっては私が初めての上司になります。私自身を振り返っても、最初の上司から受ける影響というのは大きいと思っていまして、そういう意味では責任を感じています。とにかく自分がサポートできることは「視野を広く」ということに尽きると思っています。

「自分で気付く」ためのサポートを

御手洗:私はさっそく、梅木課長から大切なことを教えてもらっていると思っています。先日初めて自分1人に任せてもらった仕事で、梅木課長に進捗の報告にいきました。装置の運転データをもとに、処理量に対してどれだけの燃料を使ったかという装置の性能評価をまとめる仕事でした。報告の際、梅木課長からの質問に答えられない自分がいました。仕事の目的を思考しきれておらず、考えが甘かったと思っています。

梅木課長からの質問は「そもそもこれってどういう目的でやっていて、どういうところで使われるの?」という質問でした。昨年まで同じ仕事を進められていた先輩のやり方を教えてもらい、とにかく体裁を整えるような仕事をしてしまっていました。

梅木:御手洗さんはまだ配属されて間もない状態で、懸命に仕事を進めたことは伝わってきました。その上で、いろいろなことに自分で気付いていってほしいという意図で質問をするようにしています。

御手洗:「依頼があるということはそれを受け取る部署や人がいるはずで、その人たちが使いやすくなることを想像してやっていくことが大事なんじゃないかな」という言葉ももらいました。「こうやりなさい」と言われることはなく、「なんでだろうね」「どうするのがいいだろうね」という言葉で、いつも私に気付かせてくれます。

アイディアをすぐに行動に
移すことができる職場

:製造1課には十数個の装置があるのですが、その一つひとつに対してまだまだ効率化を図れる可能性があります。省エネできるアイディアを思いついたら、現場で運転をされているスタッフの方に相談の上、案をまとめて梅木課長に持っていきます。その際、基本的にはすぐ試行するように背中を押してくれます。また、梅木課長が「こういう方法もあるよ」「こんなことも試せるかもしれないよ」という新たな視点を提示してくれるのでその度に勉強になっています。前職の職場だとなかなかタイムリーに動くということは難しかったので、「すぐに試せる」というのは非常にモチベーションに繋がっています。

梅木:基本的にみんなで協力していろいろなことを進めていく職場にしていきたいと思っていて。課長というのは役割であって別に偉いわけでもなんでもない。もちろん、経験の差はあるので、判断がつかないことはアドバイスをしたり私が決めたりします。結果の責任を取るのも私の仕事です。なので、みなさんが自発的に動いて試行していくことをサポートするのが自分の役割だと思っています。

:私も梅木課長に報告書を出した時に「製造1課からの視点に偏っていないか」「相手がこれを見た時にどんな風に読み取れるか、別の視点で考えてみよう」とアドバイスをもらったことがあります。まだ先のことではありますが、いつか自分も異動することがあると思います。「製油所から見た視点、本社から見た視点、取引先から見た視点、さまざまな視点から物事を考えるようにしておきなよ」と教えてもらっていると受け止めています。

梅木:私が自分のことを完璧な人間だと思っていれば、「こうしなさい」「ああしなさい」でいいかもしれませんが、そんなわけない。私の意見はたくさん可能性がある中のただ一つの意見でしかなくて、あとは自分で考えて、自分で判断するのが大切だと思っています。私がこれまでのキャリアの中でつまずいたことや悩んだことについては、同じ失敗をしないように力になりたいとは思っています。ただ、表面的なことを教わっても、自分で考えて気付いたことしか本当に自分の力にはならないと思っていて。焦る必要はないので、急がば回れの精神で仕事をしていってほしいなと思っています。

自分らしく、視野を広く

御手洗:配属された初日に、梅木課長から「御手洗さんらしく、個性を大事に」と声をかけてもらったことが今も強く印象に残っています。私自身わりと個性も癖も強めの人間だと自覚しているので、もっとがんがん出していけるように仕事をしていきたいと思っています。

梅木:ぜひぜひ。心からそう思っています。自分をちゃんと持って、自分で考えて、自分で決めて、自分で責任を持って、自分軸で仕事をする。それが一番大切だと思っています。当然、仕事は誰かに評価されるもので、評価の高い仕事を目指すべきだと思います。ただ、人が変われば評価も変わるので、一時の評価に振り回されないでほしいなと思います。また、せっかく四日市製油所の製造1課という所で働いているので、石油会社の製造設備がどういう仕組みで動いていて、どういうところに危険があって、どんなことに気を配っているかなど、しっかり学んで頂くことは大事だと思います。けれど、コスモの仕事はこれだけではありません。マーケティングの仕事もあれば、風力発電の仕事もあります。これから先社会が変化し、コスモも変化していく中で、新しい仕事もどんどん生まれてくると思います。御手洗さんや森さんをはじめ、コスモで働く若手にはいろいろな可能性が広がっています。最初にお伝えしたかったことに戻りますが、「視野を広く」。それに尽きます。

※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所などは公開当時のものです。